感性について。

ある時、ふと目を覚ます。

 

床には一輪の花が…いや

花と呼ぶべきなのだろうか、

なんとも言えないものが

転がっていた。

 

「んー…んん…?」

寝ぼけ眼でソレを凝視する。

 

「鬼灯…?」

なぜ置かれていたのかはわからない。

しかし、その花は便箋に添えられていた。

 

便箋には「Dear layer.」と

書かれていた。

 

「親愛なる詐欺師へ、とは

これまた如何様なものかね…」

 

無論、文字通りの意味ではないだろう。

なにより僕は自分を詐欺師ではないと

理解している。

 

じゃあなぜ詐欺師と訳したのか。

 

普通に訳せば「親愛なる嘘つきへ」に

なるのではっきり言ってしまえば

意訳でしかない。

 

しかしながら普通の人で

あれば「詐欺師」などと意訳することは

ない。する必要もない。

 

それでも、作家は「layer」を

「詐欺師」と訳すこともある。

 

無論、これには

嘘つき>嘘をつく人>詐欺師

というある種の考え方があるから。

 

それに、ただ「嘘つき」と

訳してしまうより「詐欺師」と

訳した方が面白いだろう?

 

そんなことよりだ。

なぜ詐欺師と言われなければならないのか

そしてなぜ鬼灯の花なのかを考えなければ

ならなくなってしまう。

 

よく見ると、一編の詩が

添えられている。

 

「まったく…音楽にかけて

手紙を置いておくなんて…ただの

ナンセンスじゃないか…」

 

ここでピンと来る人もいるかもしれない。

多分その人はここでいう「詩」が

何か知っているからだ。

 

知らない人からすれば

なぜ「鬼灯」と共に「一編の詩」が

添えられているかも理解できないだろう。

 

「第一に僕はこの詩の意訳は

間違っていると思う。なぜなら

『嘘つきのあなたの冷たい唇』よりも

『冷たいあなたの唇が嘘なのだと言って』の

方が一般的かつ心に響く詩になるからだ。」

 

誰がどう憶測したところで

答えはないのだし、正直に言って

自分の一番心にくるものをコタエに

すればいいのだ。

 

ただし、さすがにこの詩を

書いた作者はどういう意味かを

知っているだろう。だから

答えはあるのだ。

 

その答えは作者にも、読んだ人にも

それぞれある、というだけである。

 

「もしかして『浮気者』とでも

言いたいのか…?この手紙書いたやつは」

 

さて、結局のところ

「手紙の送り主」に自分と同じ考えは

求められない、となると

「嘘つきのあなた」ということになるだろう

 

というか、最初から「詐欺師」と

書かれている時点でそうだろうが。

 

「はぁ…浮気もなにも

実際には「兄弟愛」の死別の詩だと

思うんだけど…まぁ仕方ないか…」

 

とにかく、手紙の主は

僕のことを「浮気者だ」と非難しているようだ

 

「浮気」そのものも尺度が違う。

 

せいぜい、「何をもって浮気」かを

はっきり明確に伝えて欲しいものだ。

 

「考えても仕方ないか、朝ごはん食べよ。」

 

手紙の主はよくわからないが、

部屋に入ってくる人間らしいので

「Don't forget to me.」とかでも

書いて勿忘草でも添えておくかね…?

 

まぁこれも

「離別」の意味になってしまいそうだけど。